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【3・11震災8年】ボランティアの僕を救った南三陸被災者の「命さえあればいい」

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2011年3月11日に発生した東日本大震災から8年。

この8年間、ほとんど語ってこなかった僕の南三陸ボランティア活動時の話です。

 

「泥まみれの奇跡の指輪」

20190311_震災8年南三陸

震災後に僕は、壊滅的な津波被害を受けた「宮城県・南三陸」に入り、10日間×2回、約3週間にわたってボランティア作業に汗を流しました。

被災者の生活再建のためのワカメ作業の手伝い、側溝のヘドロ除去、ガレキ撤去・・・・。

そんな中で、一番強く印象に残っているのが「泥の中から発見した指輪」です。

その日、土台を残して跡形もなくなった住宅街のガレキ撤去活動中の午後3時ころ、被災した女性が僕に近寄って来てこう言いました。

「何か見つかるかなと思って見に来たけど、やっぱり何もないね」。

落胆して帰ろうとする女性を引き留め、僕は必死にスコップで泥を掘り起こしました。

すると、10分ほど経ったころ泥の中から奇跡的に出てきた指輪。

その女性は「亡くなったお義母さんの形見の指輪だ!」

お互い涙を流しながら喜び合いました。

 

「命さえあればいい」

20190311_震災8年南三陸

ボランティアとして被災地に入った僕でしたが、逆に僕自身が救われました。

当時、人間関係や仕事で心身共にボロボロだったうえに、彼女から「震災があっていろいろ人生考えたんだけど、私たち別れよう」と切り出されました。

限界ぎりぎりの状況だった僕は、被災地のすさまじい状況、それでも力強く「生き抜こう!」「生活を再建しよう!」と頑張る姿に励まされました。

 

とりわけ、ある被災女性の言葉に心救われました。

「今まで、かわいい服着て、いろいろショッピングして、欲の塊だった。でも、服も家も何もかも失い、膝下まで押し寄せる津波につかりながら生き残ったいま、“命さえあればいい。他には何もいらない” って心から思うんだ」。

 

「命さえあればいい」

 

これは当時の僕を勇気づけてくれる言葉でした。

命ある限り、恐れるものなど何もないんだって。

そして、この言葉に背中を押されて、僕は自分の生き方・人生をがらりと変えました。

 

震災8年。僕たちに今できること

20190311_震災8年南三陸
(↑ この小さな漁港ではワカメ作業を手伝いました)

 

2011年以降も、多くの自然災害が日本の国土を襲っています。

2014年、広島土砂災害。

2016年、熊本地震。

2018年、大阪府北部地震。

2018年、西日本豪雨。

2018年、北海道胆振東部地震。

これは日本に住む限り「宿命」です。

 

「宿命」ということは、逆に長い歴史の中で膨大な「経験の蓄積」があるということです。

どこにどんな危険があるか長年の言い伝え。

被災時に必要となる物資の経験の蓄積。

被災地への支援・絆の経験の蓄積。

この間の被災地の方々に寄り添うとともに、明日わが身に起こるかもしれない巨大地震・津波に対し真剣に向き合っていきたいと改めて思います。

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